読む前に
この記事は、Among Us というゲームに関する記事であり、読者は本ゲーム及び人狼ゲームとされるゲーム類に関する基本的な知識があることを想定して書かれている。そのため、用語に関する詳細な説明はしない。
主張
Among Us において、エマージェンシークールタイムは、キルクールタイムより長くした方が良い。これは、クルーメイトらがローラーを選択するリスクを引き上げ、ローラーを行う場合でもローラーの順序について熟慮するインセンティブを与える。この設定は、結果としてゲームの持続的な面白さに貢献する。
emerg CD > kill CD だと、ローラーで先に白が吊られたときに、サボタージュとか駆使して対抗の黒が最後に必死の1キルをできるということです。https://t.co/HjQtEklB0Z
— 謹慎中 (@mecab) January 25, 2021
オリジナルの人狼はローラー別に良い(仕方ない)と思うんですけど、among us は among us なのでローラーし辛いほうが良いと思う。ローラー前にキャラコン次第でキル取るチャンスが与えると、アクションゲーム要素が光ると思ってる(現状ping高いのでアクションゲームとしてクソという話はある)
— 謹慎中 (@mecab) January 25, 2021
提案する設定によって期待されること
Among Usの仕様上、ローラーを行うためには1人目を追放した後に、2人目を追放するために、誰かが非常ボタンを押して会議を行う必要がある。この時、エマージェンシークールタイムがキルクールタイムより長ければ、インポスターはエマージェンシーボタンを押す前にサボタージュを駆使しながら、その間にキルを行えるチャンスも出てくる。
これは特にローラー対象が、実際に1人クルーメイト、1人インポスターだったときに大きく影響する。例えば、不幸にも先に追放されたのがクルーメイトだった場合、次に追放される予定のインポスターは身バレ覚悟で積極的にキルを狙うことができる。
以上のことから、提案する設定はローラーを実行することについてリスクを与え、またローラーを行う場合でも、追放順番に関する議論を慎重に行うようにさせる。
インポスターにおけるローラーについて
Among Usにおいて、ローラーが発生しやすいのは、キルする瞬間を他の1人のみに目撃され、お互い「あいつがヤった」と押しつけあっている状況においてだろう。
この状況でのローラーはかなり強力で、確実に1人のインポスターを追放することができる。また、味方のインポスターとしても、1人のクルーメイトが「確実に見た」と言っている以上、ローラー提案に異を唱えづらい。
特に多人数のプレイではこの影響は大きい。例えば10人中インポスター2人構成のゲームで、開始直ぐにインポスターが殺害現場を見られてしまい上記のローラーになった場合、8人中インポスター1人構成のゲームとなってしまい、クルーメイトがとても優勢になってしまう。言い方を変えると、「10人中インポスター2人」のゲームは、序盤に殺害現場を見られるだけで、実質的に「8人中インポスター1人」と化すのだ。
「見られるようにキルをするプレイヤーが悪い」という話はあるだろうし、それはもっともなのだが、その時点でクルーメイト勝利がほぼ確定となると、この状態が起こった時点でゲームがつまらなくなったと感じるプレイヤーも出てくるのではないかと思う。また、ゲームの起点として、リスクを取った行動をせざるを得ないインポスターに対して、最初の殺害を失敗した場合のハザードとしては大きすぎる気がする。人間誰しもミスはあるし、pingの問題もある [1]。
そこで、エマージェンシークールタイムを、キルクールタイムやサボタージュクールダウンよりも長くすることで、疑われたインポスターにローラー避けのチャンスを与えるのがいいのではないかと考える。
ローラーという戦術は、味方も犠牲にしながら確実に敵を吊ることができるということで、ある意味で思考停止しているといえる。これは実際にオリジナルの人狼ゲームのプレイヤーでも主張していたり、同様の理由でローラーが嫌いという人がいる[2]。個人的には、思考停止した戦術であるとはいえ、人狼ゲームにおいては仕方ない、あるいは必要悪といえる部分だと思う。なぜなら、自分の役職以外については、確実に信じられるものは少ないか、かなり限られているからだ。その中で、リスクをとりながら確実に得られる物を得る戦略が必要になるのは分かる。狼に加えて凶人が居ることを考えるとなおさらだ。また、人狼の場合は人外がまだミスリードを誘うローラーを提案したり、議論を反らせてローラーを回避する余地もあるように思う。
しかし、このゲームはあくまでAmong Us というゲームであって、人狼ゲームではない[3]。クルーメイトは、各々自由に動き回り他の人の位置や、細かい動きを伺う機会もある。その点から、戦術としてローラを選ぶにしても、どちらを先に追放するかという議論はより慎重なものとなった方が良いように思う。提案する設定を行っても、ローラーで追放する順番を間違えなければ大きな問題とはならないのだ。また、サボタージュを繰り出すタイミングやどのサボタージュを行うかといった駆け引きや、サボタージュにどのように対応し、疑わしいクルーからどう距離を取るかといったキャラコン [4]。これが Among Us のアクションゲームとしての面白さであり、プレイの幅を広げていると思う。 インポスターにより、誰かが2度目のボタンを押すことを妨害できるようにすることは、より Among Us の面白さを引き出し、長期的な楽しさに貢献すると私は信じている。
ちょうど、非常ボタンは極力使うなと主張する記事を見つけた。

理詰めで推理するのが好きな人もいる(私はその側)し、全員で一部屋ずつ回ろうという主張に対しては、サボタージュで妨害できるから全てに同意するわけではないのだが、「キルクールタイムまでの時間稼ぎに使われがち」 「ゲームの起点となるインポスターには優しくしたほうがいい」 という点は同意したい。この人はエマージェンシークールタイムがキルクールタイムより短い環境で遊ぶことが多いとのことだが、本記事で提案するようにクールタイムの長短を逆にするとバランスが取れると思うのだがどうだろうか。
制限
- 上記はある程度慣れたプレイヤーがボイスチャットを行いながらプレイをする場合について検討している。野良でのテキストチャットでのプレイはまるで別ゲームなので参考にならないと思う。
- この設定は、当然ながらインポスターを有利にする。が、ここでの主張は各クールタイムの設定によりローラーをしづらくした方が良いということで、インポスターはもっと有利な方が良いということではなく、インポスターの勝率がどうであるべきかということではないことに注意されたい。提案する設定でインポスターが有利になった分は、他のパラメータ(例: タスク数)を変更して補正できるのではないかと思う。
- ここまで熱く書いていながらだが、正直上記のような設定でのプレイはほとんどできていないため実際のところどうなのか分からない。感想教えてください。あと Among Us 誘ってください...。(´·ω·`)