SUSHIブロンズスポンサーの公式認定証

2016年4月6日よりUnicodeコンソーシアムのブロンズスポンサーになった。ブロンズスポンサーになると、1つの文字を選び、その文字と共に自分の名前をUnicode.org上に表示してもらうことができる。僕は🍣を選んだ。よって、Unicode.org上には🍣のemojiと共に僕の名前が刻まれている。スポンサーの期間は1年間だ。

僕は以前、すなわちいわゆるガラケーが一世を風靡した時代に絵文字を 決して 使わなかった[1]。当時の絵文字は各キャリアがSJISの外字領域を無理やり利用したもので、キャリア感での互換性も乏しい状況だった。インターネットは数多くの標準に基づいた相互接続性のおかげで回っている部分が大きいのに、標準化を行なわない状態で、あたかもそれが当たり前に使える機能であるかのようにユーザに絵文字を使わせるキャリアの姿勢に嫌悪感を抱いたからだ。しかし、Google、Apple、Microsoftのおかげで[2]emojiとしてUnicodeに採録されてからは、ひたすら毎日機会を見出してはemojiを打っては打ちまくっている。

emojiは様々な種類の文書に彩りを与えてくれて、僕たちのQoLを大いに向上してくれる。一方、そもそも「文字」では無い上に、日本の文化に依存する要素が多い絵文字が、コンピュータおよびWeb上の事実上の標準となりつつあるUnicodeにemojiとして採録されてしまったことは、同時に様々な議論を文字コードの世界に持ち込んでしまった。近年では人の肌の色に関する中立性が問題となり、肌の色を表すためのコードが定義され、またいくつかのプラットフォームにおいて実装された。これらの問題、そして今後出てくる問題が解決され、よりemojiの整備が進むことを願ってスポンサーを行った。これが僕がスポンサーを行った理由の半分だ。もう半分は当然自己顕示欲を満たしたいからだ。自分で文字を選んでスポンサーになれるこの仕組みはよく考えられたものだなーと感じる。

スポンサーになるのは簡単にできるので、気になった人はスポンサーになると人生が楽しくなると思う。ブロンズスポンサーの100USドルが最低額だ。Unicode Adopt-a-Character Submission Formに好きな文字(emojiに限らない)、表示してもらいたい名前及びスポンサー額を入力し、あとはクレジットカード番号など支払いに必要な内容を入力するだけだ。希望すれば紙の認定書を発行してもらうこともできる。お金に余裕がある人はシルバースポンサー(1000USD)やゴールドスポンサー(5000USD)になるのも乙なものだろう。シルバースポンサー以上は記念品がもらえ、さらにゴールドスポンサーでは名前だけでなくハイパーリンクを貼ることもできる。なお、シルバースポンサーは1つの文字につき5(人 or 社)、ゴールドスポンサーは1つの文字につき1(人 or 社)しか枠がないので、もしお気に入りの文字がある場合は急ぐ必要がある。

ところで、最近emspectというCLIツールをGitHubとnpmで公開した。詳細の記事は近いうちに書く予定だが、emojiを検索したり、emojiに関する様々な情報を見ることができるプログラムだ。結構便利だと自画自賛しているので、emojiフリーク各位は是非使ってみてほしい。


  1. 謝罪: 実は1度か2度だけ使ってしまったことがある。女の子から💕つきのメールをもらったときにうっかり💕で返してしまわない奴が居るだろうか。いや、居ない。 ↩︎

  2. 全て国外の企業であるのがすこし残念なところだ。 ↩︎