以下の文章は職場のイケメンと話していたことのまとめだ。

最近はrwxr-xr-xこと755が凄まじい勢いで広告されているのをよく見かける。TLにも複数の芸能人による755始めました!とのpostがPromoted Tweetとして流れてくる。時々「期間限定で始めました!」というものもある。お金と契約の匂いが漂う。以前より僕はお金の匂いがするインターネットは好きではなかったが、最近ではあからさまに札束で殴っているようなサービスは一周回って嫌いでは無くなってきた。

ところで、755が芸能人の投稿が見れる、または芸能人とトークができるアプリとして広告されているのは非常によくできた戦略だと感じている。基本的に我々がTwitterやFacebook、あるいはLineのような特定のにロックインされているのは、「すでに周りの人が使っている」ということが理由だろう。機能的に素晴らしいサービスであったとしても、人がいないと使い物にならない。しかし、芸能人と話せるアプリならば、そもそも人がいない問題は問題にならない。加えて、同世代の中で最もはやく携帯電話を手に入れた人にも訴求できる点になりそうだ。

また、完全に主観と偏見であるものの、女の子を多く取り込むことができるだろう。芸能人の情報を積極的に追うのはどちらかというと男の子よりも女の子である気がする。女がサービスを使えば、男は勝手にやってくる[1]。上記のイケメン曰く、実際に755では女の子が太ももなどの自撮り写真を上げていることがあり、それに対して大量の男性が「ウォッチ!」、すなわちFacebookでいうところのいいね!をしているらしい。

ここまで書いたところで
新世代トークアプリ「755」について僕が感じていること - razokulover publog という記事を見つけた。この記事では出会い系を含むコミュニティサイトの歴史、現在では出会い系コミュニティがLine等のID交換掲示板に移動している一方、出会いを求めていないコミュニティの行き場がないことが説明されており、さらに755が行き場のない彼らを丸ごと抱え込む可能性と、現在は1対1のプライベートトークができないことで、完全な出会い系になって荒れてしまわないギリギリのバランスを保っていることが指摘されている。

このまま755が抱え込むであろうコミュニティとLineのようなIMは、知らない人との触れ合いを求める場と知り合い同士での通信用としての棲み分けをするのだろうか。それとも、755が出会い系サイトとして荒れてしまわないように、(755内で新たにで知り合った人を含む)知人との通信を可能にする何らかの施策が編み出されるのだろうか。そのような魔法が起こった時にはLineを使っている我々が老害になってしまう日も近い。

Lineをメインの連絡手段としないように長らく抵抗していたが、入社したら同期のあいだではLineをアクティブに使うことはさながら常識であるかのように扱われており、故に僕も当然のごとくLineを連絡用に使うことを強制されてしまった。現在はラブライブやアイマス、および熊本方言スタンプなどに課金する日々を送っているが、まだ本格的に使い始めてから1年も経っていない。寂しいので未だLine使っているおじさんになるまでにもう少し時間がほしい。


  1. と、どっかのベンチャーのCEOが言っていた。間違っていないとは思うが、以前某所のエンジニア学生コミュニティのようなものに入っていたときに、エンジニア学生向けスピーチとしてこの話を聞かされた上、「ニーズをくみ取ってサービスを作れないエンジニアは雑魚だ」「故にコミュ力の無いエンジニアは雑魚だ」「女の子と話せ、彼女は居るか???」「なぜならサービスを流行らせるには女の子にたくさん来てもらうことが必要だからだ。女が来れば男は勝手に来る」「...今笑った人は分かってるねぇ、コミュ力あるね」という文脈でのこの話だったのでイライラしかしなかった。なお、この記事を書いた理由の半分は、この文章が書きたかったためである。 ↩︎