2017年7月30日 利用環境に関して追記。一部の段落を入れ替え。

クラウドファンディングサイトであるところのIndiegogoといえば、最近はGPD Pocketが届かないと日本人が騒いでいてうるさいと一部で話題だが、そんな騒ぎを横目に、去年の10月に229EUR (+送料38EUR)を投げ入れていたLoupedeckがついに届いた。本記事では、Loupedeckの紹介をし、製品への第一印象を述べる。

TL; DR

スタイリッシュな見た目に反して材質はチープ。しかし操作感は良く、想像以上に便利で機能的にはかなりいい。ソフトウェアの更新でより改善できる点はありそうで今後に期待。

Loupedeckの概要

Loupedeckの外箱

Loupedeckの外箱

Loupedeckは写真編集ソフトであるAdobe Lightroom専用のコンソールだ。露出・コントラスト・回転・色調補正などに対応したノブ、色調補正用のダイアル、そしてフラグやコピーペースト、ズームなどよく使う機能に対応するキーがあり、Lightroom上の多くの機能に直接アクセスでき、そして精度の高い調整が行える。

外観

Loupedeck全貌

Loupedeck全貌

オーディオ用ミキサーを思わせるかっこいい見た目をしているが、重量は軽く、材質はチープで安いキーボードのようだ。各種ダイアルを回す時もスカスカな回し心地で、ついつい無駄に触ってしまうような気持ちよさはない。とくに色調補正用のダイアルはひどい。この辺りは、なんというか、まぁ、クラウドファンディングという感じだ。

裏側の配線溝

裏側の配線溝

裏側には配線溝があり、PCに接続するためのUSBケーブルを前からでも横からでも出せるようになっている。これはいい作りだ。

キャリングケースに入ったLoupedeck

キャリングケースに入ったLoupedeck

ちなみに、Indiegogo限定かどうかは分からない[1]が、フェルト製のキャリングケースがついてきた。持ち運ぶ機会があるかは分からないが、ありがたい。

ソフトウェア

LoupedeckをSurface Book上のWindows 10で利用した。LightroomのバージョンはLightroom CC (2015.10.1 Release)を使っている。

利用するためには、タスクトレイに常駐する専用ソフトウェアをPCにインストールする必要があるが、インストールは何もトラブルなく終わり、Loupedeckを接続すればすぐに使えるようになった。Loupedeckにはカスタマイズ可能なノブが1つ、同ボタンが10個 [2]あるが、これらのカスタマイズも専用ソフトウェアから簡単に行うことができる。

Loupedeck用ソフトウェア

Loupedeck用ソフトウェア

ただ、カスタマイズの自由度が低く、あらかじめボタン毎に決められた機能群の中のみから選択できず、それは残念な点だ。特にC2、C3に関しては「Develop/Libraryの切り替え」「Loupeでの情報表示の切り替え」「Webブラウザを開く(Loupedeckの公式ページが開く)」の3つからしか選べずあまり使いどころがない。個人的にはライブラリフィルタを切り替えたかったのだが。P1~P3のボタンはプリセットを割り当てられるのでこれはいいと思う。UIは良く、クールな見た目だし分かりやすくて良い。カスタマイズの自由度が低い点に関してはアップデートで改善されそうな気がするし、今後に期待したい。

操作感

大変いい。想像以上にいい。現像するときにトーンをいじりながら色調補正しながら...とやっていると、いちいち各調整カテゴリ(BasicとかHSLとか)を開いたり閉じたりとか、あるいはスクロールしたりとかが意外と面倒なものなのだけれども、それが無いのは快適だ。また、ダイヤルを回すと1刻みとか、0.1単位とか細かい単位で調整できるのがいい。約3万円払うだけの価値は十分あると思う。

少し不安になった点として、一瞬USB接続が解除されすぐに再接続されるという現象が何度も起こったのだが、USBポートを変えたら発生しなくなった。相性問題か、単純な接触の問題だと信じたい...。今後また発生したら問い合わせてみようと思う。

おわりに

本記事では、Loupedeckの紹介と、製品の第一印象について述べた。材質がチープであるところと、カスタマイズ性が低いという問題はあるものの、本質的な機能としては問題なく、写真の編集が快適に行うことができて十分満足している。カスタマイズ性の問題は、今後のソフトウェア更新で機能追加されることを期待したい。

Loupedeckは公式サイトから369EUR [3]で購入することができる。またB&H Photo Videoも299USD [3:1]で予約を受け付けているようだ。

なお、本記事の写真はすべてLoupedeckを使って編集された。撮影にはFUJIFILM X-T1を使った。(現行モデルとして、FUJIFILM X-T2がある。)レンズはXF35mmF1.4 Rを使った。

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ギャラリー

外箱と外箱のカバー

外箱と外箱のカバー

ダイヤル部

ダイヤル部

ノブたち

ノブたち


  1. 現在は公式サイトから購入できるが、こちらにはキャリングケースに関する記載はない。 ↩︎

  2. なお、fnキーを同時押しすることで違う機能を割り当てられるので、合計で20個の機能を割り当てることができる。 ↩︎

  3. 2017年7月27日現在 ↩︎ ↩︎